しじみの安眠効果
現在、日本人の半数以上が睡眠に関する悩みを抱えていると言われています。睡眠の質を上げる方法は様々ですが、安眠効果のある栄養素を摂ることはひとつの方法と言えます。しじみは疲労回復や二日酔いに効くというイメージが一般的な食品ですが、安眠効果のある栄養素も豊富に含まれていることが分かっています。ここではしじみの安眠効果について紹介します。
しじみに含まれる安眠効果が期待できる栄養素
しじみは二枚貝の一種で、タンパク質、ビタミン、ミネラルといった栄養素が豊富に含まれています。しじみの健康効果は肝機能を向上させることによる疲労回復効果が認知されていますが、安眠効果にも役立つことが確認されています。ではしじみに含まれるどのような栄養素が安眠効果を促すのでしょうか。
ビタミンB群
ビタミンB群は自律神経を整えたり、私たちが生きるために必要なエネルギー産生を助けたりする働きがあります。ビタミンB群が不足すると疲れやだるさといった症状が出ることから、質の高い睡眠をとるために積極的に摂りたい栄養素です。ビタミンB群の中でも特にビタミンB12は睡眠に深く関わっていて、睡眠リズムを正常にする働きがあります。
しじみにはビタミンB1・B2・B6・B12、ナイアシン、葉酸といったビタミンB群を多く含んでいます。ビタミンB群は互いに助け合って作用するため、しじみから多くの種類のビタミンB群を摂取することは安眠効果を促すのに効率的だと言えます。ビタミンB群はしじみの他にはあさり、さんま、レバーといった動物性の食品に多く含まれています。
鉄分
鉄分は体内で赤血球を作るのに必要な『ヘモグロビン』の材料になります。ヘモグロビンは全身の組織に酸素を運ぶ役割をしているため、鉄分はとても重要な栄養素です。鉄分を充分に摂ることで全身に酸素を供給することができ、睡眠の質を上げることができます。
しじみには鉄分が豊富に含まれています。またしじみには鉄分の吸収を促すビタミンB12も豊富に含まれているので、鉄分を効率よく摂取できる食品と言えます。鉄分はしじみの他に小松菜、レバー、卵黄などに多く含まれています。
ミネラル(カルシウム、マグネシウム)
カルシウムは気持ちを落ち着かせる効果があり、穏やかな睡眠を促す働きがあります。マグネシウムは緊張している筋肉を緩める効果があり、身体をリラックスさせるのに役立ちます。またマグネシウムはカルシウムの吸収率を高める働きもあります。
しじみにはカルシウムとマグネシウムといったミネラルが豊富に含まれているため、リラックスしたい人におすすめの食品です。ミネラルはしじみの他に大豆製品、海藻類に多く含まれています。
トリプトファン
アミノ酸の一種であるトリプトファンは、自律神経を整えるセロトニンという神経伝達物質の材料になります。セロトニンは別名『幸せホルモン』と呼ばれており、興奮した気持ちを落ち着かせる働きがあります。またセロトニンは睡眠ホルモンである『メラトニン』の分泌を促す働きがあります。メラトニンは睡眠を促す働きをするので、質の高い睡眠をとることができます。
h
しじみにはトリプトファンも豊富に含まれています。トリプトファンはしじみの他に肉類、魚介類、豆類に多く含まれています。
オルニチン
アミノ酸の一種であるオルニチンは一般的には疲労回復効果があるイメージが定着している食品ですが、安眠効果があることも分かっています。オルニチン研究会の調査から、就寝前にオルニチンを摂取することで眠りの体感がよくなり、翌朝の頭の働きが改善することが示されています。
また、オルニチンは肝機能を向上させて、身体に有害なアンモニアを解毒する働きをする栄養素です。アンモニアが蓄積すると疲労感やだるさが出てしまうことから、オルニチン摂取によって疲労を回復した結果、質の高い睡眠が得られると言えます。しじみは他の食品と比較して、オルニチンが豊富に含まれています。またしじみは手軽に手に入れられることから、継続的にオルニチンを摂取するのに適している食品です。オルニチンはしじみの他に本しめじ、ヒラメ、キハダマグロなどに多く含まれています。
まとめ
日本人の半数以上が睡眠に関する悩みを抱えている現代において、質の高い睡眠をとることは充実した生活を送るために必要不可欠です。しじみにはビタミンB群、鉄分、ミネラル、トリプトファン、オルニチンといった安眠効果のある栄養素が豊富に含まれています。質の高い睡眠をとりたい人にとって、しじみは力強い味方になってくれます。