輸入されるしじみの原産国。ロシア、韓国、中国から輸入される。
昔から日本人に親しまれてきたしじみは、全国の汽水域(淡水と海水が入り混じる場所)で生息しています。しじみの漁獲量は昭和40~50年頃までは多かったですが、生育環境の悪化などが原因で減少傾向にあります。そのため現在、しじみは外国から輸入されています。ここでは日本のしじみ漁獲量と、輸入されるしじみの原産国についてご紹介します。
日本のしじみ漁獲量
しじみは日本国内の汽水域で生息しています。全国に生息しているしじみですが、主な産地は漁獲量が多い順番に島根県・青森県・北海道です。しじみの漁獲量は昭和40~50年頃まで5万トン程度でしたが、しじみの生育環境の悪化などが原因で現在は1万トン程度まで減少してしまいました。しじみ漁業が消滅した河川も複数あります。利根川・長良川・筑後川は干拓や河口堰の建設で汽水域が淡水化し、しじみが産卵できなくなったことから、しじみ漁業ができなくなってしまいました。現在はしじみの生育環境の改善や、年間漁獲量の調整などを行って水資源が守られています。
輸入されるしじみの原産国
日本国内のしじみ漁獲量の減少に反比例するように、しじみの価格が上昇し続けていきました。しじみは昭和40年には1キロあたり約10円でしたが、平成20年には1キロあたり約680円に高騰しています。そのため現在はロシア・韓国・中国といった周辺の国から、安いしじみを輸入せざるを得ない状況になっています。年間のしじみの輸入量は3千~5千トンで、国内自給率は7~8割の水準を維持しています。2017年現在、しじみの輸入量はロシアが最大となっています。韓国や中国からの輸入量が多かった時期もありましたが、2007年以降これらの国からの輸入量は激減しています。これはしじみの乱獲と、生息環境の悪化が原因と言われています。韓国と中国からの輸入量が激減したことから、ロシアからの輸入量が最も多くなりました。また2006年までは北朝鮮から輸入していましたが、2007年以降は輸入が禁止となり、現在も北朝鮮からしじみは輸入していません。
まとめ
しじみは昔から日本人に親しまれてきた食品ですが、生育環境の悪化などが原因で昭和40~50年頃をピークに漁獲量は減少しております。現在はしじみの生育環境の改善や年間漁獲量の調整などを行い水資源が守られていますが、海外からの輸入に頼っている面もあります。しじみはロシア・韓国・中国から輸入されています。過去には北朝鮮からもしじみを輸入していましたが、2007年以降は輸入していません。