しじみに含まれる血圧安定に役立つ栄養素。高血圧の人は要注意。
しじみは疲労回復や二日酔い予防といった健康効果が得られることで有名な食品です。実はしじみはそれら以外にも、血圧安定に役立つ栄養素が豊富に含まれています。一方で高血圧の人がしじみを食べる際に、注意すべき点があります。ここではしじみに含まれる血圧安定に役立つ栄養素と、高血圧の人がしじみを食べる時の注意点についてご紹介します。
血圧を不安定にさせる3つの要因
血圧を不安定にさせる主な要因は、以下の3つです。
ストレス
血圧を不安定化させる要因の一つ目は、ストレスです。血圧はその人の精神状態が大きく影響します。ストレスを感じてイライラしたり、緊張したりすると血圧は上昇します。逆にリラックスして気持ちが落ち着いていると、血圧は下がって安定します。
加齢
血圧を不安定化させる要因の二つ目は、加齢です。高齢者は若い人と比べて、血圧の変動が起こりやすい特徴があります。これは加齢に伴って血管の弾力が失われて、血の流れが悪くなるからです。高齢者は、心臓が収縮して血液を送り出す際の血圧が高くなる傾向にあります。
食事
血圧を不安定化させる要因の三つ目は、食事です。塩分を多く含む食べ物やカロリーが高い食べ物、糖分の多い食べ物は血圧を上げる要因になります。普段からこれらの食事を摂っていると血管の老化を促進させることになるので、注意が必要です。
しじみに含まれる、血圧安定に役立つ栄養素
二枚貝の一種であるしじみは、血圧安定に役立つ栄養素が豊富に含まれています。しじみに含まれている、血圧安定に役立つ栄養素は以下の2つです。
オルニチン
しじみに含まれるオルニチンはアミノ酸の一種で、肝臓のオルニチンサイクルを活性化させてアンモニア解毒を促進させる働きがあります。アンモニアはタンパク質からエネルギーを生成する過程で作られる副産物で、体内に蓄積すると肝機能が低下してしまいます。肝機能が低下すると血中コレステロールの調整が上手くできず、高血圧を引き起こすリスクが高くなります。しじみからオルニチンを摂取することでアンモニア解毒を促進させ、肝機能を高めることができます。その結果、血中コレステロールの調整がスムーズになり高血圧を予防することができます。
またオルニチンは、ストレス軽減効果や睡眠の質を向上させる効果があることが分かっています。しじみからオルニチンを摂取することでストレスを軽減して睡眠不足を改善し、間接的に高血圧を予防することができます。
オルニチンはしじみ以外に、ヒラメ、キハダマグロ、チーズ、エノキ茸などに多く含まれています。これらの食品に含まれているオルニチン含有量はしじみより少ないため、高血圧対策をするために補助的に活用するのがおすすめです。
タウリン
しじみに豊富に含まれているタウリンはアミノ酸の一種で、胆汁酸の分泌を促進させることで血中コレステロールを下げる働きがあります。血中コレステロールが下がることで血流が促進されるため、血圧を安定させることができます。
またタウリンは緊張している時やストレスを感じている時に働く、交感神経の活動を抑制する効果があります。しじみからタウリンを摂取してリラックス効果を得ることで、血圧上昇を防ぐ効果が期待できます。
タウリンはしじみ以外に、サザエ、牡蠣、ホタテ、ハマグリ、アサリ、カツオ、ブリなどの魚介類に多く含まれています。血圧安定効果を得たい人は、しじみや魚介類を積極的に食べるのがおすすめです。
高血圧の人がしじみを食べる時の注意点
高血圧の人がしじみを食べる時には、塩分の過剰摂取にならないよう注意する必要があります。しじみを使った料理で有名なのは、しじみの味噌汁です。しじみの味噌汁は血圧安定に役立つ栄養素が豊富に含まれていますが、塩分も多く含まれています。高血圧の治療は食塩制限が重要で、塩分を摂り過ぎると高血圧が悪化してしまう可能性があります。高血圧の人がしじみを食べる時は、塩分を摂り過ぎないように注意しましょう。
まとめ
しじみは疲労回復や二日酔い予防だけではなく、血圧安定にも役立つ栄養素が豊富に含まれています。血圧はストレス、加齢、食事などの影響で大きく変動します。しじみに豊富に含まれているオルニチンとタウリンは、様々なメカニズムで血圧安定に役立つ栄養素です。血圧安定のために普段の食事にしじみを取り入れるのがおすすめです。なお高血圧の人は、塩分の過剰摂取にならないよう注意しましょう。