しじみに含まれるグリコーゲン。筋肉収縮と血糖値調整を行う。
二枚貝の一種であるしじみには、グリコーゲンが含まれています。グリコーゲンという栄養素の名前を聞いたことがあっても、具体的にどんな働きをするのか知らない人は多いのではないでしょうか。グリコーゲンはエネルギー源となる栄養素で、筋肉を動かすために必要な栄養素です。ここではしじみに含まれるグリコーゲンの量と、グリコーゲンの働きについてご紹介します。
しじみに含まれるグリコーゲンの量
しじみには100g(約35個)あたり約3gのグリコーゲンが含まれています。グリコーゲンとは、ブドウ糖が沢山つながってできた物質です。食事などから摂取された糖質は、体内でブドウ糖に分解された後に小腸で吸収されます。ブドウ糖はエネルギー源として利用される他に、グリコーゲンとして筋肉と肝臓で蓄積されます。
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準の報告書(2015年)』によると、1日あたりの糖質摂取量は総エネルギー摂取量の約50~60%とされています。1日に必要なエネルギー摂取量は性別や生活スタイルによって変わります。一例を挙げると、デスクワークを中心とする30~49歳の場合、1日あたり約250gグ糖質摂取が必要となります。しじみ単独で1日あたりに必要なグリコーゲンを摂取することは難しいため、他の食品も活用する必要があります。
グリコーゲンの働き
体内のグリコーゲンの8割は筋肉に、2割は肝臓に蓄積されています。グリコーゲンの主な働きは以下の通りです。
筋肉の収縮
筋肉に蓄積されているグリコーゲンのことを『筋グリコーゲン』といい、筋肉収縮のエネルギーに使われます。筋肉の収縮に必要なブドウ糖が不足している時、筋グリコーゲンが分解されてブドウ糖が供給されます。
血糖値の調整
肝臓に蓄積されているグリコーゲンは、血糖値を安定させる働きがあります。体内のブドウ糖が使われて血糖値が低下すると、肝臓のグリコーゲンがブドウ糖に分解され血液中に放出されます。血中のブドウ糖が不足すると低血糖症になり、意識の混乱や発汗、震えなどの症状が現れます。
疲労回復
グリコーゲンは疲労回復にも重要な働きをします。体内のブドウ糖が不足すると倦怠感や疲労感が生じるようになるため、疲れにくい身体作りにはグリコーゲンの摂取が効果的です。
集中力保持
グリコーゲンは、集中力を保持する働きをします。人間の脳を活性化させるために必要な栄養素はブドウ糖です。脳のエネルギーであるブドウ糖が不足すると、集中力が低下してしまいます。
まとめ
生命維持に必須の栄養素であるグリコーゲンは、筋肉収縮や血糖値調整などの働きをします。グリコーゲンは食事などから摂取した糖質から分解されたブドウ糖が、沢山繋がったものを差します。1日あたりの糖質摂取量は総エネルギー摂取量の約50~60%です。しじみにはグリコーゲンが含まれていますが、量は少ないため他の食品などと併せて摂取するようにしましょう。