※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

しじみの成長過程。産卵・幼生期・着底生活・成長・成熟の特徴とは。

しじみは疲労回復や二日酔い予防に効果がある食品として、昔から日本人に親しまれてきた食品です。健康のために積極的に摂取したいしじみですが、その成長過程を知っている人はあまりいません。ここではいくつかあるしじみの種類の中でも、ヤマトシジミが卵からどのように成長していくのか、成長過程をご紹介します。

しじみの成長過程

しじみの成長過程は大きく分けて『産卵』『幼生期』『浮遊生活から着底生活』『成長』『成熟』の5つの段階に分けられます。

産卵

しじみは淡水と海水が混じっている水域(汽水域)で生息しています。しじみの産卵時期はおおむね7月~9月です。しじみにはオスとメスがあり、オスは精子、メスは卵を放出します。しじみのメスは1回の産卵で数十万個の卵を産みます。卵の大きさは直径0.1mmほどで、産卵後すぐに水中でオスが放出した精子と受精します。

幼生期

しじみの受精卵は水中を漂い、受精から約12時間後に孵化してトロコフォア幼生になります。トロコフォア幼生の時期は短く、受精から20~24時間後にはD型幼生前期、受精から約70時間後にD型幼生後期になります。これらの成長段階は他の海産の貝類とほぼ同じです。しじみの受精卵が幼生になるまでの過程では、ある程度の塩分が必要とされています。またしじみは幼生期に砂泥に潜らず水中を漂っているため、水流などによって遠くに運ばれることもあります。

浮遊生活から着底生活

しじみは受精から約1週間は水中で浮遊生活を送り、その後殻ができて稚貝となり砂泥に沈みます。この過程を『着底』と呼びます。着底したばかりの稚貝の大きさは砂粒程度ですが、成貝と同様の生活をします。稚貝はプランクトンや有機混濁物などを餌として成長していきます。

成長

しじみの成長には時間がかかり、最低でも2年以上かかります。成長度合いは水温や餌などの生息環境によって大きく変化しますが、一例では生後1年で殻長5mm、生後2年で殻長10mm、精生後3年で殻長15mmと成長することが分かっています。しじみは水温20~25℃の春・秋に最もよく成長します。しじみは人間に漁獲されず、生育環境が良い場所では40~50mm程度まで成長し続けると言われています。

成熟

しじみは殻長12mm程度になると成熟し、卵や精子を放出するようになります。しじみのオスメスの違いは、殻を空けて中身の色の違いから区別します。産卵時期において身の色が白色になるのがオス、黒色になるのがメスと言われています。オスの身が白色に見えるのは精巣が発達しているため、メスの身が黒色に見えるのは卵ができているからです。しじみの寿命ははっきりとは分かっていませんが、10年以上生きると考えられています。

まとめ

しじみは疲労回復や二日酔い予防効果がある食品として、昔から日本人に親しまれてきました。しじみは7~9月が産卵期で、1回の産卵で数十万個の卵が放出されます。卵は水中で受精卵となり、約1週間後に着底します。その後2年以上の歳月をかけて成長し、殻長12mm以上になると成熟します。日本人がこれからもしじみを食べ続けるために、しじみが生息しやすい環境を守ることが重要だと言えます。

関連コラムColumn