肝臓の活躍としじみ。しじみに含まれるオルニチンが肝臓をサポート。
肝臓の活躍
肝臓は約3000億個の細胞から成り立っており、成人で1~1.5kgの重さがする人体最大の臓器です。肝臓は自らを修復する特徴があり、肝機能が正常であれば半分以上切り取られても半年後には元の大きさに回復する再生能力があります。肝臓は500以上もの働きをしている臓器ですが、その働きは大きく分けて『代謝』『貯蔵』『胆汁の生成・分泌』『解毒』の4つに分けられます。一つ目の『代謝』は、私たちが食べ物から摂った栄養を身体の各器官が必要とする形に変えたり、エネルギーを生成したりすることです。肝臓は代謝の中核を担っており、食べ物が胃や腸で消化・吸収された後に肝臓で代謝されることで、初めて体内で使えるようになります。二つ目の『貯蔵』は、脳の主要なエネルギー源であるブドウ糖を肝臓で貯蔵することです。脳は24時間、睡眠中でもブドウ糖を必要とする臓器です。肝臓は脳へいつでもブドウ糖が補給できるように、ブドウ糖をグリコーゲンの形で備蓄しています。三つ目の『胆汁の生成・分泌』は、コレステロールと胆汁酸から胆汁を作り、分泌することです。肝臓で作られる胆汁は脂質の消化吸収を助け、肝臓で処理された不要物を排泄し、血中のコレステロール濃度を調整する働きをします。胆汁は肝臓で生成されると胆のうで貯蔵され、胆管と十二指腸を通って小腸に出ていきます。四つ目の『解毒』は身体にとって有害な物質を無毒化することです。例えば食べ物からエネルギーを作る過程で生成されるアンモニアは、人体にとって有害です。肝臓で有害なアンモニアは、無害な尿素に変換されます。
しじみに含まれる肝機能を向上させる栄養素
しじみは昔から滋養に役立つ健康食品として、庶民に親しまれてきました。しじみは疲労回復や二日酔い予防といった健康効果が期待できる食品で、これらの健康効果はオルニチンという栄養素が関係していることが分かっています。しじみに豊富に含まれているオルニチンはアミノ酸の一種で、肝機能を向上させて『解毒』をサポートする働きのある栄養素です。オルニチンは肝臓にあるオルニチンサイクルを活性化させる働きをします。オルニチンサイクルはアンモニアを尿素に変換する代謝回路です。アンモニアが肝臓に蓄積すると疲労の原因になることから、しじみからオルニチンを摂取してオルニチンサイクルを活性化させることで健康的な身体作りをすることができます。現代人の4人に1人は肝機能異常と言われていることから、しじみは私たちの肝臓を元気にする心強い味方になってくれるのです。
まとめ
肝臓は再生能力の高い臓器で、大きく分けて『代謝』『貯蔵』『胆汁の生成・分泌』『解毒』の4つの働きをします。しじみに含まれているオルニチンはで『解毒』をサポートする働きがあり、肝臓のオルニチンサイクルを活性化してアンモニア解毒を促進させます。アンモニアが肝臓に蓄積すると疲労の原因になるため、健康的な身体作りのためにしじみは心強い味方になってくれます。