国内のしじみの産地。島根県、青森県、北海道の漁獲量が多い。
疲労回復効果や二日酔い予防効果が期待できるしじみは、縄文時代から日本人に親しまれてきた食品です。しじみは日本全国の汽水域(海水と淡水が入り混じっている場所)に生息していますが、主にどの県で漁獲されているのでしょうか。ここでは日本国内のしじみの主な産地についてご紹介します。
国内のしじみの主な産地
日本国内のしじみの主な産地は、2016年時点で漁獲量の多い順番に島根県・青森県・北海道などが挙げられます。以下にそれぞれの特徴を説明します。
島根県
島根県の宍道湖は日本有数のしじみの産地で、『宍道湖しじみ』はブランド食品としても販売されています。農林水産省が発表した漁業統計(2016年)によると、島根県のしじみ漁獲量は3年連続1位です。島根県のしじみ漁獲量は4172トンで、全国の漁獲量の4割以上を占めています。島根県のしじみの漁獲量のピークは1972~1987年で、この時期は年間1万トン以上のしじみが獲られていました。しかし2010年頃から宍道湖の塩分濃度低下などの環境悪化がみられたため、2011~2013年は漁獲量を制限していました。現在ではしじみが生育しやすい環境を保つために、資源管理が実施されています。
青森県
青森県で有名なしじみの産地は、まず津軽半島の十三湖が挙げられます。十三湖のしじみは一年を通して漁獲されています。その中でも6~7月はしじみが産卵期に入り実が肥えるため、最高の食感を味わえると言われています。次に青森県で最も大きい小川原湖も有名なしじみの産地で、水産資源が豊富なことから『宝湖』とも呼ばれています。青森県でも資源保護のために、しじみの漁獲量が厳しく制限されています。
北海道
北海道で有名なしじみの産地は網走湖、パンケ沼、天塩川、風蓮湖などが挙げられます。寒冷な気候で育つ北海道産のしじみは、他県と比べて生育に時間がかかるのが特徴です。特に水温の低い冬から春はほとんど成長しません。漁獲時期は網走湖は5~10月、天塩川は5~11月、風蓮湖は4~6月です。北海道でも資源保護のために、年間の漁獲量や漁獲サイズが厳格に管理されています。漁獲したしじみで、大きさが規定に達していないしじみは湖に返されます。またしじみ漁を行っているのは、特別に許可が下りている漁師だけです。他県と比べてしじみの成長速度が遅い北海道だからこそ、資源管理が慎重に行われているのが現状です。
まとめ
日本国内のしじみの主な産地は、漁獲量の多い順番に島根県・青森県・北海道などが挙げられます。島根県は宍道湖、青森県は十三湖と小川原湖、北海道は網走湖やパンケ沼などがしじみの産地として有名です。いずれの産地でも資源保護のために、年間のしじみの漁獲量や漁獲サイズが厳密に管理されています。私たちの食卓を飾るしじみは、多くの人の努力によって守られているのです。