しじみでストレスを軽減
現代はストレス社会と呼ばれており、日本人の多くは職場や学校の人間関係、長時間労働、睡眠不足などからストレスが溜まりやすい状況にあります。ストレスを溜めすぎると心身に不調をきたすため、こまめにストレスを軽減させることが大切です。ストレス軽減効果のある食品のひとつとして、しじみが近年注目されています。ここではしじみに含まれる、ストレス軽減に役立つ栄養素を紹介します。
しじみに含まれるストレス軽減に役立つ栄養素
しじみは二枚貝の一種で、タンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。しじみに含まれるこれらの栄養素の中で、特にビタミンB群、トリプトファン、オルニチンにストレス軽減効果があることが分かっています。
ビタミンB群
ビタミンB群は臓器や筋肉の細胞を作るサポートや、損傷した細胞を修復する役割を持っている栄養素です。ビタミンB群は脳細胞や神経細胞の産生・修復にも関与しており、ストレスによって損傷した脳神経細胞を修復する働きがあります。またビタミンB群の一種であるビタミンB12は、自律神経を整える作用のある栄養素です。ストレスによって自律神経の働きが乱れると、自律神経失調症や神経性胃炎といった病気の原因になります。ビタミンB12を摂取することで、ストレスによる不調を予防することができるのです。
しじみにはビタミンB1・B2・B6・B12、ナイアシン、葉酸といったビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群は互いに助け合いながら作用する為、しじみから多くの種類のビタミンB群を摂取することはストレス軽減に効果的です。ビタミンB群はしじみ以外に、いわし、うなぎ、かれい、レバー、卵、納豆に多く含まれています。
トリプトファン
トリプトファンはアミノ酸の一種で、心身の安定に関与する『セロトニン』という神経伝達物質の材料になります。セロトニンは不安感をなくし、精神を安定させ、心を穏やかにする作用があります。セロトニンを作るのに必要なトリプトファンを摂取することは、ストレス軽減につながります。トリプトファンは体内で合成されないアミノ酸のため、食品から摂取するしかありません。
しじみにはトリプトファンが多く含まれています。またしじみにはビタミンB6、亜鉛、マグネシウム、鉄分、ナイアシンといった、セロトニン合成に必要な栄養素も多く含まれています。しじみからトリプトファン等のセロトニン合成材料を摂取することで、セロトニン不足を防ぎ心の疲れを軽減する効果が期待できます。トリプトファンはしじみの他に肉類、魚類、乳製品、大豆製品といった食品にも含まれています。
オルニチン
オルチニンはアミノ酸の一種で、身体の有害物質であるアンモニアを解毒する働きがあります。暴飲暴食や過度のストレスなどが原因で肝機能が低下すると、身体にアンモニアが蓄積します。アンモニアが蓄積すると疲労やだるさといった症状が出てしまい、更にストレスが溜まってしまいます。オルニチンを摂取して体内のアンモニア解毒を促進することで、ストレス軽減効果を期待することができます。
実際にオルニチンにストレス軽減効果があることが、オルニチン研究会によって確認されています。成人男女にオルニチン2400mgまたはプラセボ(オルニチンの入っていない試験食品)を摂取させたところ、オルニチンを摂取したグループのストレスが軽減され、さらに疲労感も軽減したことが明らかになっています。
しじみは他の食品と比較してオルニチンが豊富に含まれています。また手軽に手に入る食品であることから、継続してオルニチンを摂取するのに適した食品です。オルニチンはしじみ以外に本しめじ、ヒラメ、キハダマグロ、チーズなどに含まれています。
まとめ
ストレス社会である現代を健康的に過ごすためには、ストレスを溜めない習慣を取り入れることが重要です。ストレスを溜めないための習慣は色々ありますが、ストレス軽減効果のある食品を食べることはひとつの方法です。しじみにはビタミンB群、トリプトファン、オルニチンといったストレス軽減効果のある栄養素が豊富に含まれています。ストレスを溜めすぎて体調を崩す前に、毎日の生活習慣で心身の健康を保つようにしましょう。