しじみに含まれるタウリンは、二日酔い予防以外の効果も期待できる。
しじみは二日酔い予防に効果がある食品として、昔から庶民に親しまれてきました。二日酔い予防効果は、しじみに豊富に含まれるタウリンが関係しています。タウリンは二日酔い予防だけではなく、様々な健康効果があることが分かっています。ここではしじみに含まれるタウリンとはどのような栄養素で、どのような働きをするのかご紹介します。
しじみに含まれるタウリンとは
しじみに豊富に含まれるタウリンとは、貝類・いか・たこ・魚などの魚介類に多く含まれているアミノ酸です。タウリンは生体内のほとんど全ての組織に存在しています。タウリンは人間の体内では心筋、筋肉、網膜、脾臓、脳、肺、骨髄などに存在しています。
タウリンの働き
しじみに豊富に含まれているタウリンの主な働きは、以下の4つです。
肝機能向上効果
しじみに含まれているタウリンは、肝臓で胆汁酸の分泌や肝細胞の再生を促進させ、細胞膜を安定化させる働きがあります。またタウリンは体内に入るアルコールや薬、食品添加物などの化学物質を無毒化して、尿や便として体外に排出する解毒作用もあります。特にタウリンはアルコール代謝を促進する働きがあります。アルコールが体内に入ると、肝臓内で二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドに一旦変換されます。アセトアルデヒドは酵素の働きで、無害な酢酸に変換され体外に排出されます。タウリンはアセトアルデヒドを酢酸に変換する酵素の働きをサポートする効果があり、アルコール代謝をスムーズにすることで肝臓の負担を軽くする役割を担っています。しじみにはタウリン以外にも、オルニチンなど肝機能を向上させる栄養素が豊富に含まれています。しじみからタウリンを摂取することで、効率よく肝機能を向上させることができます。
コレステロール値を下げる効果
しじみに含まれているタウリンは、胆汁の分泌を促進させてコレステロール値を下げる働きをします。胆汁の成分である胆汁酸を作るためには、コレステロールが必要になります。タウリンは胆汁酸と結合する性質があるため、しじみからタウリンを摂ることで血中のコレステロール値を下げることができます。またしじみには、肝機能を向上させるオルニチンが豊富に含まれています。しじみからオルニチンを摂取して肝機能を向上させることで、より効率的にコレステロール値を下げることができます。
動脈硬化予防効果
しじみに含まれるタウリンは、動脈硬化を予防する効果があります。動脈硬化は血中のコレステロールや中性脂肪が増えて血管壁に蓄積することで、血管がつまったり硬くなったりすることで弾力を失った状態を指します。動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞のリスクを上げてしまいます。しじみからタウリンを摂取することで血中コレステロール値を下げることができ、結果的に動脈硬化を予防することができます。
視機能改善効果
しじみに含まれるタウリンは、視機能を改善させる効果があります。目の網膜には、外部からの光刺激を感知する光受容体が多数あります。タウリンはこの光受容体に存在しており、網膜を守る働きをしています。またタウリンは目の新陳代謝を促進し、角膜の修復をサポートする働きも担っています。しじみからタウリンを摂取することで、網膜を保護し視機能改善効果を得ることができます。
まとめ
しじみに含まれているタウリンはアミノ酸の一種で、二日酔い予防効果があることで有名です。タウリンはそれ以外にも、肝機能向上効果、コレステロール値を下げる効果、動脈硬化予防効果、視機能回復効果といった健康効果も得ることができます。またしじみにはタウリンの働きをサポートする栄養素が豊富に含まれています。健康的な身体を維持するために、普段の食生活にしじみを取り入れてみてはいかがでしょうか。