しじみの心の疲れ軽減効果。オルニチンとトリプトファンが役に立つ。
現代は『ストレス社会』と言われており、心の疲れが原因で体調を崩してしまう人が多いのが現状です。心身の健康を保つために、食生活や運動を見直すだけではなく心の疲れを軽減することも大切です。しじみは疲労改善効果や二日酔いに効くというイメージが定着している食べ物です。それに加えて、しじみには心の疲れを軽減する効果があることが分かっています。ここではしじみの心の疲れ軽減効果についてご紹介します。
しじみオルニチンの心の疲れ軽減効果
オルニチン研究会が行った調査によると、オルニチンはメンタルストレスを軽減する効果があることが分かっています。健康な成人男女にランダムでオルニチン2400mg又はプラセボ(オルニチンが入っていない食品)を摂取してもらい、1時間後にストレス耐性試験を実施したところ、オルニチンを摂取したグループでストレスホルモンであるコルチゾールの分泌量の上昇が抑えられ、さらに翌朝の精神的疲労感が軽減されたことが確認されました。コルチゾールはストレスを感じたときにストレスに対抗するために分泌されるホルモンなので、非常に役立つホルモンなのですが、慢性的なストレスでコルチゾールの分泌が過剰になると、やる気の低下や無気力などの悪影響を及ぼします。
この調査結果から、オルニチンをあらかじめ摂取することでストレスや疲労を軽減させる効果があると考えられています。
しじみオルニチンが心の疲れを軽減する理由
しじみに含まれるオルチニンはアミノ酸の一種で、体内の有害物質であるアンモニアを解毒する効果があります。アンモニアが蓄積されると疲労感を感じ、心の疲れも貯まってしまいます。オルニチンを摂取することによって体内のアンモニアが解毒されることから、身体と心の疲れを軽減する効果が期待できます。
またオルニチンの健康効果を研究している協和発酵バイオ株式会社の中村明仁氏によると、オルニチンが交感神経や副交感神経といった自律神経系に作用して心の疲れを軽減させているとも考えられています。
しじみトリプトファンの心の疲れ軽減効果
しじみに含まれるトリプトファンはアミノ酸の一種で、心身の安定に関与する『セロトニン』という神経伝達物質の材料になります。セロトニンが不足するとうつ病や不眠症といった精神疾患に陥りやすいと言われていることから、トリプトファンの摂取が心の疲れを軽減することに繋がります。トリプトファンは体内で合成されないアミノ酸のため、食品から摂取するしかありません。またしじみにはトリプトファン以外にビタミンB6、亜鉛、マグネシウム、鉄分、ナイアシンといったセロトニン合成に必要な栄養素が幅広く含まれています。しじみからトリプトファン等のセロトニン合成材料を摂取することで、セロトニン不足を防ぎ心の疲れを軽減する効果が期待できます。
まとめ
しじみの心の疲れ軽減効果は、健康な成人を対象にした調査で科学的に明らかになっています。しじみが心の疲れを軽減させる理由として、オルニチンによる肝機能向上や自律神経系への作用、トリプトファン摂取によるセロトニン生成促進が挙げられます。心の疲れを軽減するために、しじみは私たちの強い味方となってくれます。