しじみは夏バテ解消に役立つ食品。オルニチン、タウリンなどの栄養素が効く。
夏は暑さによる体調不良で、夏バテが起きやすい時期です。土用の丑の日と言えばうなぎが有名ですが、もうひとつ、夏バテ対策に役立つ食品があります。それがしじみです。
二枚貝の一種であるしじみは疲労回復や二日酔い予防といった健康効果が有名ですが、夏バテ解消に役立つ栄養素も豊富に含まれています。ここでは夏バテの原因と、しじみに含まれている夏バテ解消に役立つ栄養素についてご紹介します。
夏バテとは
夏バテとは、高温多湿の環境に身体が適応できなくなり、なんとなくだるさを感じ、食欲不振になるなど夏に起きる体調不調のことです。夏バテが起きる原因として、室内外の温度差による自律神経の乱れ、高温多湿の環境による発汗異常、熱帯夜による睡眠不足が挙げられます。夏バテを放置しておくと、免疫力低下によって夏風邪にかかることがあります。
夏バテの対策法としては、栄養価の高い食品を食べること、室内の過ごし方を工夫すること、睡眠を充分にとって疲れを取ることが挙げられます。特に食欲が減退しがちな夏は、量よりも質に重点を置いた食事をとることが重要です。
しじみに含まれる夏バテ解消に役立つ栄養素
二枚貝の一種であるしじみは、アミノ酸やビタミンなどの栄養素が豊富に含まれている食品です。しじみに含まれる、夏バテ対策に役立つ栄養素は以下の3つです。
オルニチン
しじみに含まれているオルニチンはアミノ酸の一種で、肝臓のオルニチンサイクルを活性化させる働きがあります。オルニチンサイクルでは、人体にとって有害なアンモニアが分解されています。アンモニアはタンパク質からエネルギーを生成する際に作られる副産物で、体内に蓄積すると疲労感やだるさを感じるようになり、夏バテが起きやすくなります。しじみからオルニチンを摂取することで、アンモニア解毒を促進させ夏バテ解消効果を得ることができます。
オルニチンはしじみ以外に、ヒラメ、キハダマグロ、エノキ、チーズ、パンなどに多く含まれています。これらの食品のオルニチン含有量は少ないため、夏バテ対策のために補助的に活用するのがおすすめです。
タウリン
しじみに豊富に含まれているタウリンはアミノ酸の一種で、肝機能を向上させる効果があります。タウリンは肝臓において、胆汁酸の分泌や肝細胞の再生を促進させ、細胞膜の機能を安定化させる働きがあります。タウリンはその他にも、アルコールや薬、食品添加物などの化学物質を無毒化させて、尿や便として体外に排出させる解毒作用もあります。しじみからタウリンを摂取して肝臓の負担を軽くすることで、疲労からスムーズに回復できる身体になり、夏バテ対策をすることができます。
タウリンはしじみ以外に、貝類、イカ、タコ、魚などの魚介類に多く含まれています。しじみはタウリンの他にもオルニチンが豊富に含まれているので、肝機能を活性化させて夏バテ対策をしたい人におすすめの食品です。
メチオニン
しじみに豊富に含まれているメチオニンはアミノ酸の一種で、肝機能を高める働きをする栄養素です。メチオニンは肝臓の老廃物や毒素を排出して、代謝を促進する働きがあります。代謝を促進させることで、血行が良くなって内臓機能が活発になるので、夏バテ防止になります。メチオニンが不足すると肝機能が低下してしまい、老廃物が蓄積することで疲れやすくなり夏バテの原因になります。しじみからメチオニンを摂取することで、肝機能を高めて夏バテ解消に役立てることができます。
メチオニンはしじみ以外に、マグロ、カツオ、牛乳、チーズ、豆腐、納豆などに多く含まれています。
しじみと一緒に摂ることで相乗効果を得られる食べ物
しじみは単体でも夏バテ解消に役立てることができますが、一緒に食べることで相乗効果が得られる食品があります。それはクエン酸が豊富に含まれている、梅干しです。しじみに豊富に含まれているオルニチンは、肝臓のオルニチンサイクルを活性化させてアンモニア解毒を促進させる働きがあります。しかしお酒の飲み過ぎが原因で肝機能が低下してオルニチンサイクルでのアンモニア解毒が滞ると、クエン酸回路が働いてアンモニアを解毒するようになります。オルニチンとクエン酸を同時に摂取することで、より効率的に疲労回復効果を得ることができます。しじみと梅干を使った料理の一例として、しじみと梅干のにゅうめんが有名です。
まとめ
夏バテは高温多湿の環境に身体が適応できなくなり、だるさを感じたり食欲不振になったりする、夏に起きやすい体の不調のことです。夏バテ対策のひとつとして、しじみなど栄養価の高い食品を食べることが挙げられます。しじみにはオルニチン、タウリン、メチオニンといった夏バテ対策に役立つ栄養素が豊富に含まれています。しじみと梅干を組み合わせて食べるなど、自分好みのしじみ料理を作って夏バテ解消に役立ててみてはいかがでしょうか。