しじみがアンモニアを分解。肝臓の解毒作用をサポートする。
しじみは疲労回復や二日酔いといった症状に効くと言われ、古くから日本人に親しまれてきた食品です。しじみは肝機能を向上させてアンモニア分解を促進する、オルニチンという栄養素が豊富に含まれています。アンモニアは人体にとって有害物質で、体内で食べ物を代謝する際に作られる副産物です。ここでは人体にアンモニアが蓄積されたときの悪影響や、しじみがどうやってアンモニアを分解するのかという事を紹介します。
アンモニアが人体に及ぼす悪影響
アンモニアは食べ物をエネルギーに変換する過程で発生する副産物で、人体にとって有害な物質です。通常アンモニアは肝臓に運ばれて解毒されますが、乱れた食生活や過度の飲酒、ストレスなどが原因で肝機能が低下しているとアンモニアが体内に蓄積されていきます。アンモニアが体内に蓄積されると、下記のような様々な悪影響を及ぼすことが分かっています。
だるさ、疲労感
人間は約60兆個の細胞からなり、各細胞内にある『ミトコンドリア』では、生命活動の維持に必須であるエネルギーを作っています。また肝臓のミトコンドリアではエネルギーを作る他に、アンモニアの解毒処理も行われています。アンモニアはミトコンドリアがエネルギーを作るのを妨げる働きがあるため、エネルギーを作るためにはアンモニアを解毒することが大切です。しかし肝機能が低下してしまうとアンモニア解毒が進みにくくなり、アンモニアが人体に蓄積してしまいます。その結果、エネルギーが十分に作られなくなりだるさや疲労感といった症状が現れます。
アンモニア臭
アンモニアは鼻にツーンとくるような独特な匂いがあり、別名『疲労臭』とも呼ばれます。体内にアンモニアが蓄積されると、血液をたどって皮膚から汗やガスとして排出されます。この時にアンモニア臭が発生してしまいます。アンモニア臭を抑えるために入浴して体を洗ったり消臭スプレーを使ったりしても、汗をかけば臭いが発生するので根本的な解決にはなりません。
脳への悪影響
アンモニアが更に人体に蓄積されると、脳にも悪影響を及ぼします。肝硬変などで肝機能が下がると、血液中にアンモニアが流れて「肝性脳症」という症状が現れます。肝性脳症は昏睡や意識障害などを引き起こします。
しじみがアンモニアを分解
人体に蓄積されると非常に有害なアンモニアですが、通常は肝臓のオルニチンサイクルという回路で解毒されます。オルニチンサイクルは尿素回路とも呼ばれ、アンモニアと肝臓中のオルニチンが反応して無毒な尿素に解毒されます。肝臓のオルニチンサイクルを活性化させるためには、オルニチンを摂取することが必要です。しじみでオルニチンを摂取することで、肝臓のオルニチンサイクルを活性化させ、アンモニアの解毒を促進することができます。
しじみにはオルニチンが豊富に含まれており、手軽に手に入る食品であることからオルニチンを継続的に摂取するのに適した食品です。
まとめ
アンモニアは人体にとって有害な物質であり、体内に蓄積されると様々な悪影響を及ぼします。通常アンモニアは肝臓のオルニチンサイクルで解毒されます。肝臓のオルニチンサイクルを活性化するためには、オルニチンを継続的に摂取することが必要です。しじみはオルニチンサイクルを活性化させ、私たちの健康を守る強い味方になります。