しじみの精神安定効果。オルニチン、トリプトファンなどの栄養素が貢献。
健康的な生活を送るためには、身体だけでなく精神の安定を意識することが大切です。二枚貝の一種であるしじみは、疲労回復や二日酔い予防といった健康効果が期待できることで有名な食品です。しじみにはそれ以外に、精神安定効果も期待できることが分かっています。ここではしじみに含まれる、精神安定効果に関係する栄養素についてご紹介します。
しじみに含まれる精神安定効果に関係している栄養素
しじみに含まれている栄養素の中で、オルニチン・トリプトファン、鉄分・カルシウム・ビタミンB12が精神安定効果に関係しています。それぞれの栄養素の働きは以下の通りです。
オルニチン
アミノ酸の一種であるオルニチンは、肝臓の機能を向上させて有害物質であるアンモニアの解毒を促進させる働きがあります。アンモニアは私たちが食べた食品からエネルギーをつくる時に生成される副産物で、身体に蓄積するとだるさや疲労感などの症状を引き起こします。オルニチンを摂取することでアンモニアが解毒されるため、疲労感を改善し精神安定を期待することができます。
トリプトファン
アミノ酸の一種であるトリプトファンは、セロトニンやメラトニンといった精神安定に関与する物質の材料になる栄養素です。セロトニンは神経伝達物質の一種で、精神を安定させ心を落ち着かせる効果があります。メラトニンは睡眠ホルモンの一種で、副交感神経を優位にすることで眠りの質を向上させます。セロトニンはメラトニンを作るために必要な物質のため、トリプトファンが多く含まれているしじみを摂取することは精神安定効果を高めるには効率的だと言えます。
鉄分
ミネラルの一種である鉄分は、全身に酸素を運搬する赤血球を作るのに必要な栄養素です。鉄分が不足すると赤血球が作られず酸素の運搬が充分に行われなくなり、鉄欠乏性貧血を引き起こします。鉄欠乏性貧血はめまいや倦怠感などの症状を引き起こし、精神の不安定に繋がります。特に女性は月経や妊娠で鉄分を失いやすいため、意識して鉄分を摂取することが大切です。
カルシウム
ミネラルの一種であるカルシウムは、骨や歯を構成することで有名な栄養素です。カルシウムはそれ以外に神経内に存在しており、神経刺激の伝達に大きく関わっています。カルシウムが不足すると神経刺激がうまくできず、うつ病などの精神不安定な症状を引き起こす原因となります。
ビタミンB12
ビタミンB群の一種であるビタミンB12は、精神安定効果が期待できる栄養素です。ビタミンB12は脳からの指令を伝える神経細胞を正常な状態に保つ働きをします。ビタミンB12が不足すると、神経の働きが悪化して神経障害やうつ病などの原因となります。ビタミンB12は一度に多く摂取しても必要以上の量は吸収されないため、継続的に摂取することが重要です。
まとめ
しじみは疲労回復や二日酔いといった健康効果が期待できることで有名ですが、それに加えて精神安定効果もあることが分かっています。しじみに含まれる栄養素の中で精神安定効果に関係している栄養素は、オルニチン・トリプトファン・鉄分・カルシウム・ビタミンB12です。健康的な生活を送るために、心と身体の両方を元気にするしじみを活用するのがおすすめです。