「土用しじみ」と「寒しじみ」とは。しじみの旬は年に2回ある。
しじみには旬の時期が年に2回あり、それぞれ「土用しじみ」「寒しじみ」と呼ばれています。土用しじみは夏の時期に旬を迎えるしじみ、寒しじみは冬の時期に旬を迎えるしじみです。土用しじみと寒しじみには、それぞれ由来や特徴があります。ここでは、土用しじみと寒しじみについてご紹介します。
土用しじみとは
土用しじみとは、7~8月の夏の時期に旬を迎えるしじみのことを差します。この時期のしじみは産卵を控えていることから、身に栄養が豊富に詰まっています。しじみには疲労回復や二日酔い予防効果が期待できるオルニチンをはじめ、タンパク質・ビタミン・ミネラルといった栄養素が豊富に含まれています。土用しじみはオルニチンなどの栄養素が豊富に蓄えられているため、疲れやすい夏の時期におすすめの食品です。昔から「土用しじみは腹薬」と言い伝えられており、疲労回復・精力増強・滋養強壮に役立つ夏の食べ物として親しまれてきました。土用しじみの由来は、夏の時期に獲れるしじみを土用の丑の日に食べることで、夏バテ防止に役立つからだと言われています。土用の丑の日にはうなぎを食べる習慣が江戸時代から始まっていますが、土用のしじみはそれより昔から庶民に食べられてきました。
寒しじみとは
寒しじみとは、1~2月の冬の時期に旬を迎えるしじみのことを差します。寒しじみは冬の寒さに耐えるために身に栄養が溜まっており、大きさも通常のしじみより約3倍のサイズになっています。またしじみの旨味成分であるコハク酸は、気温の低下にともなって量が増えることが分かっています。そのため寒しじみは旨味が凝縮されており、お味噌汁で食べると最高の出汁を味わうことができます。寒しじみは特に寒い地域で美味しくできると言われており、北海道・宮城県・千葉県などの寒しじみが有名です。
まとめ
しじみは一年を通して漁獲することができる食べ物で、旬の時期が年に2回あります。7月~8月の夏の時期に獲れるしじみは『土用しじみ』、1月~2月の冬の時期に獲れるしじみは『寒しじみ』と呼びます。土用しじみは産卵に備えるため、寒しじみは寒さに耐えるために身に栄養や旨味が詰まっています。旬のしじみを味わって、普段のしじみとの違いを比べてみてはいかがでしょうか。