しじみに含まれるメチオニン。肝機能向上やアレルギー症状の緩和などに貢献。
メチオニンは必須アミノ酸の一種で、食事からしか摂取できない栄養素のひとつです。二枚貝の一種であるしじみには、メチオニンが豊富に含まれています。メチオニンは肝機能の向上やアレルギー症状の緩和など、様々な健康効果があることが分かっています。ここではしじみに含まれるメチオニンの量と、メチオニンの働きについてご紹介します。
しじみに含まれるメチオニンの量
しじみ100g(約35個)あたり150mgのメチオニンが含まれています。WHO(世界保健機構)が定めたメチオニンの一日推奨摂取量は『体重1kgあたり15mg』です。一例を挙げると、体重50kgの人は1日あたり750mgのメチオニンを摂取するのが推奨されます。メチオニンは食品からしか摂取できない必須アミノ酸の一種で、しじみ以外に鶏肉、牛肉、マグロ、牛乳、チーズ、豆腐、納豆などに多く含まれています。成人がしじみだけで一日推奨摂取量のメチオニンを摂取するのは難しいため、他の食品やサプリメントを活用するのがおすすめです。
メチオニンの働き
しじみに含まれているメチオニンの働きは多岐に渡ります。メチオニンの主な働きは以下の通りです。
肝機能の向上
メチオニンは肝機能を向上させて、有害物質や老廃物を体外に排出し代謝を促進させる働きがあります。代謝を促進することで血中のコレステロールを燃焼させ、肝臓に脂肪が蓄積されるのを防ぐ効果が期待できます。肝臓に脂肪が蓄積されると脂肪肝となり、肝硬変や動脈硬化などのリスクが高まります。これらの疾患のリスクが高い人は、メチオニンを特に意識して摂取するのがおすすめです。
アレルギー症状の緩和
メチオニンはアレルギーを引き起こすヒスタミンの血中濃度を下げることで、アレルギー症状を緩和する働きがあります。アレルギー反応は外部からの刺激に反応し、ヒスタミンが過剰に放出された時に起きます。メチオニンを摂取することでヒスタミン血中濃度を下げることができ、アレルギー症状を緩和することが期待できます。
うつ病の改善
メチオニンはうつ病を改善することが期待できる栄養素です。メチオニンは神経伝達物質であるセロトニン・ノルアドレナリン・ドーパミンなどの材料になります。うつ病は神経伝達物質が不足していることが原因と言われており、メチオニンを摂取することでうつ病の改善に役立つ可能性があります。またメチオニンはうつ病の改善以外にも、記憶力の向上や認知症の予防・改善といった脳の活性にも効果があると考えられています。
アンチエイジング効果
メチオニンは細胞の老化を抑制する効果が期待できる栄養素です。メチオニンは体内でセレンというミネラルを運搬する働きをします。セレンは細胞を酸化させて老化を促進する活性酸素の生成を抑制する働きをします。メチオニンを摂取することで細胞の老化を防ぎ、アンチエイジング効果を期待することができます。
まとめ
しじみに含まれるメチオニンは必須アミノ酸の一種で、肝機能の向上・アレルギー症状の緩和・うつ病の改善・アンチエイジング効果が期待できる栄養素です。メチオニンは体内で合成できないため、食品から摂取する必要があります。しじみだけで一日推奨摂取量のメチオニンを摂取するのは難しいため、他の食品やサプリメントを活用するのがおすすめです。