しじみには、ビリルビン値を下げるオルニチンが豊富に含まれている。
しじみは疲労回復や二日酔い予防などの健康効果が得られることで有名な食品です。しじみに期待できる健康効果はそれら以外にも、ビリルビンを下げる効果があります。ビリルビンは古くなった赤血球が破壊されるときに生成される黄色い色素で、肝臓病の進行具合を見分ける指標になっています。ここではビリルビンとは何なのか、しじみがビリルビンを下げる効果についてご紹介します。
ビリルビンとは
ビリルビンとは、古くなった赤血球が破壊されるときに生成される黄色い色素のことです。生成されたビリルビンは、血液に乗って肝臓に運ばれて『グルクロン酸』という物質と結合して無害化されます。その後胆汁中に捨てられ、体外に排出されます。肝臓で処理される前のビリルビンを『間接ビリルビン』、肝臓で処理された後のビリルビンを『直接ビリルビン』と呼び、これらを合わせて総ビリルビンと呼びます。肝臓の働きが正常であればビリルビンは速やかに胆汁に捨てられますが、肝機能が低下するとビリルビンは体内に蓄積されます。ビリルビンが体内に蓄積されると、皮膚などにビリルビンが沈着して肌が黄色く見える『黄疸』が表れます。黄疸は肝機能障害や胆汁の閉塞、体質などが原因で発生します。肝機能健康診断などの血液検査において総ビリルビンの数値が1.3mg/dL以上の場合は、肝臓や胆管の病気の疑いがあります。
しじみでビリルビンを下げる
しじみは疲労回復や二日酔い予防といった健康効果があることで有名ですが、それだけではなくビリルビン値を下げる効果も期待できます。
しじみに豊富に含まれているオルニチンは、有害物質であるアンモニアを解毒するオルニチンサイクルを活性化させる働きがあります。アンモニアはタンパク質からエネルギーを生成する過程で作られる副産物で、体内に蓄積されると肝機能が低下してしまいます。しじみからオルニチンを摂取してアンモニア解毒を促進させることで、肝機能を活性化することができます。肝機能が活性化することで、肝臓に運ばれたビリルビンの無害化及び排泄をスムーズに行うことができます。
しじみは他の食品と比較して、オルニチン含有量が圧倒的に多い食品です。しじみ以外にオルニチンを含む食品として、エノキ茸、ヒラメ、キハダマグロ、チーズ、パンなどがあります。オルニチンを継続的に摂取してビリルビン値を下げるために、これらの食品を補助的に活用するのがおすすめです。
まとめ
ビリルビンは古くなった赤血球が破壊される時に生成される黄色い色素です。ビリルビンが生成されると肝臓で無害化されて胆汁に排出されますが、肝機能が低下すると体内に蓄積して黄疸の原因になります。しじみに豊富に含まれるオルニチンは、アンモニア解毒を促進することで肝機能を向上させ、ビリルビンの無害化・排出をスムーズにさせる働きがあります。健康的な身体作りのために、普段の食生活にしじみを活用してみてはいかがでしょうか。