しじみを摂ることにリスクはある?ノロウイルス感染、肝疾患の人は要注意。
二枚貝の一種であるしじみは、疲労回復や二日酔い予防効果のあることで有名な食品です。健康のためにしじみを日常的に食べたいと思っている人の中で、しじみを摂ることにリスクはないのか疑問に思っている人はいるのではないでしょうか。しじみは健康的な身体作りに役立つ食品ですが、食べる際には注意しなければならないことがあります。ここではしじみを摂ることでのリスクについてご紹介します。
しじみを摂ることでのリスク
しじみを摂ることで考えられるリスクは、以下の2点があります。
ノロウイルス感染
しじみを摂るリスクの一つ目は、ノロウイルスに感染する可能性があることです。現在国内に流通しているしじみのほとんどは、ヤマトシジミという種類です。ヤマトシジミは淡水と海水が入り混じっている汽水域で生息しています。汽水域にはノロウイルスなどのウイルスや細菌が存在し、しじみに付着している可能性があります。そのためしじみを食べる前に、適切に加熱処理をすることが大切です。もしノロウイルスに感染してしまうと、症状が軽い場合は風邪のような症状で済みます。しかし症状が重い場合は、発熱や下痢、嘔吐、頭痛、腰痛などの症状が現れます。身体の抵抗力が弱い幼児や高齢者がノロウイルスに感染した場合、重症化しやすいので注意が必要です。
しじみからノロウイルスの感染を防ぐためには、適切に加熱処理して活性を失わせることが重要です。厚生労働省によると、しじみなどの食品に付着しているノロウイルスの活性を失わせるためには、中心部が85~90℃で少なくとも90秒以上加熱することが推奨されています。また加熱調理をするのが面倒だと感じる人は、乾燥しじみを利用するのがおすすめです。乾燥しじみは下処理したしじみを乾燥してあるため、ノロウイルスの感染を心配することはありません。
肝疾患の人は鉄分の過剰摂取に注意
しじみを摂るリスクの二つ目は、肝疾患の人は鉄分の過剰摂取になる可能性があることです。鉄分は生命維持に必須の栄養素ですが、肝疾患を有する人は摂取制限の対象となる場合があります。肝疾患を有する人は肝機能が低下しているため、健康な人と同じ量の鉄分を摂取すると体内の鉄分量を調整できなくなる場合があります。健康な人の鉄分の一日摂取目安量は、男性で7mg程度、女性で10mg程度です。一方肝疾患を有する人は、多くの病院では鉄分の一日摂取量を6mg程度にするよう指導されます。しじみは貝類の中でも鉄分が豊富に含まれる食品で、100g(約35個)あたり約5.3mgの鉄分が含まれています。肝疾患の人がしじみを食べる場合は、必ず医師と相談した上で指導された量を食べるようにしましょう。
まとめ
しじみは疲労回復や二日酔い予防といった健康効果が期待できる食品ですが、しじみを摂ることで考えられるリスクがあります。一つ目はノロウイルスに感染する可能性があることですが、適切に加熱処理することで感染を防ぐことができます。二つ目は肝疾患の人がしじみを食べた場合、鉄分の過剰摂取になる場合があることです。肝疾患の人がしじみを食べる場合は、医師と相談した上で指導された量のしじみを食べるようにしましょう。