しじみとウコンを一緒に摂取する。相乗効果や注意点はある?
お酒を飲む機会が多い人、お酒が弱い人にとって二日酔い予防をすることは重要です。二日酔い予防法のひとつとして、二日酔いに効く食品を食べることが挙げられます。二日酔いに効く食品として、しじみとウコンは一般的に広く知られている食品です。しじみやウコンは、なぜ二日酔いに効くと言われているのでしょうか。またしじみとウコンを摂取した時の相乗効果、それぞれを摂取する時の注意点についてご紹介します。
しじみとウコンは二日酔いに効く
しじみが二日酔いに効く理由
しじみは二枚貝の一種で、タンパク質、ビタミン、ミネラルといった栄養素が豊富に含まれています。しじみに含まれる栄養素の中で、アミノ酸の一種であるオルニチンは二日酔いの疲労を改善する働きがあります。
アルコールを飲むと肝臓でアルコールが分解される際に、『アセトアルデヒド』という有害物質が作られます。アセトアルデヒドは人体に悪影響を及ぼす物質で、二日酔いの症状の原因となります。肝臓では脳のエネルギーである『糖』が作られますが、アセドアルデヒドによって肝機能が低下すると十分な糖が作られなくなり、脳のエネルギーが不足してしまいます。二日酔いによる疲労は、このアセトアルデヒドによる脳のエネルギー不足が原因で起こり、疲労感に繋がります。オルチニンは肝臓のオルチニンサイクルを活発にすることで、肝機能を向上させる働きがあります。オルニチン摂取によって肝機能が向上すると、肝臓のアルコール分解機能も活発になり、アルコールやアセトアルデヒドの分解が促進されるため、二日酔いに効きます。
ウコンが二日酔いに効く理由
ウコンは鮮やかな黄色の香辛料で、ミネラルや食物繊維が豊富に含まれています。ウコンに含まれている栄養素の中で、クルクミンという成分が二日酔いに効くことが分かっています。
クルクミンはポリフェノールの一種で、肝臓を保護する作用、抗酸化作用、抗炎症作用など健康効果が多岐にわたることが明らかになっています。クルクミンが二日酔いに効くということの科学的証明が、ウコン研究所によって報告されています。健常人にアルコール0.5mg/kgを摂取してもらった後、クルクミン30mgを含むウコン飲料又はプラセボ(クルクミンが入っていない黄色い試験飲料)を摂取してもらいました。その結果、クルクミンを配合した飲料を飲んだグループでアルコール代謝の改善が認められ、酒酔いでの頭痛等の症状になる人が少ないことが確認されました。クルクミンはアルコールが肝臓で分解された際に作られる、アセドアルデヒドの分解を促進する働きがあります。クルクミン摂取によって肝臓のアセドアルデヒド分解が促進されるため、二日酔いに効きます。
効果の違い
しじみとウコンは両方とも二日酔いに効果がある食品ですが、効果に違いはあるのでしょうか。結論としてはどちらも二日酔いに効果がある食品ですが、しじみとウコンのどちらがどの程度効くかは個人差があります。また摂取のタイミングについては、しじみとウコンはどちらもどのタイミングで飲んだとしても二日酔い予防効果が期待できます。その為、明確にいつ飲めばいいという決まりはありません。ただし、お酒を飲み過ぎるとしじみやウコンを摂取し忘れてしまう可能性があるので、飲酒前に飲むのがおすすめです。また栄養ドリンクやサプリメントから摂取する場合は、用法用量を守って利用するのが最も効果的です。
しじみとウコンの相乗効果
しじみとウコンは様々な健康効果が期待できる食品ですが、組み合わせて摂取することで相乗効果が期待できます。
二日酔い改善効果
しじみとウコンを組み合わせて摂取することが、単独で摂取するよりも二日酔い改善に効果があることが期待できます。しじみに含まれるオルニチンとウコンに含まれるクルクミンを組み合わせて摂取したところ、クルクミン単独摂取よりも飲酒翌朝の疲労が改善されたことが確認されています。効率的に二日酔いに改善した人は、しじみとウコンを組み合わせて摂取するのがおすすめです。
疲労回復効果
しじみとウコンは両方とも疲労回復効果がある食品のため、組み合わせて摂取することで相乗効果が期待できます。しじみに含まれるオルニチンは、肝臓のオルニチンサイクルを活性化させることでアンモニア解毒を促進させる働きがあります。アンモニアが蓄積されると疲労の原因になることから、しじみからオルニチンを摂ることで疲労を回復することができます。またウコンに含まれるクルクミンは肝臓の保護や抗酸化作用があり、肝機能を向上させることが期待できます。肝機能を向上させるしじみとウコンを組み合わせて摂取することで、高い疲労回復効果が期待できます。
血行促進効果
しじみとウコンはどちらも血行促進効果のある栄養素が豊富に含まれているので、組み合わせて摂取することで高い血流促進効果が期待できます。しじみに含まれるビタミンEは血行を良くする作用があります。またウコンに豊富に含まれているクルクミンは抗酸化作用があり、血中の悪玉(LDL)コレステロールの酸化を防ぐ働きがあります。悪玉コレステロールが酸化するとコレステロール値が上昇し血流が滞ることから、クルクミンを摂る事が血流促進に繋がります。
美肌効果
しじみとウコンは美肌効果のある栄養素が豊富に含まれていているため、組み合わせて摂取することで高い美肌効果が期待できます。しじみに豊富に含まれているビタミンB2は、髪の毛や爪を健康に保つ効果があります。ビタミンB2が不足するとニキビや肌荒れ、口内炎になることから、しじみを摂取することが美肌に繋がります。またウコンに含まれるクルクミンは抗酸化作用のある栄養素です。肌を老化させる原因のひとつである紫外線は、肌荒れやしみの原因になる活性酸素を作ります。クルクミンはこの活性酸素を除去する働きがあるため、肌の老化を防止する働きがあります。
しじみやウコンを摂取する時の注意点
しじみやウコンはいずれも二日酔いの改善が期待できる食品ですが、食べ過ぎると健康被害が出てしまうので注意が必要です。しじみやウコンを食べすぎると、鉄分やカルシウムの過剰摂取による結石といった副作用が起きることがあります。特に脂肪肝、肝炎、肝硬変などの肝機能障害を患っている人は肝臓に鉄分が溜まりやすくなっているため、医師と相談した上でしじみやウコンを摂取しましょう。またしじみやウコンをサプリメントから摂取する場合も、用法用量を守って適量を摂取するようにしましょう。
まとめ
二日酔いに効く食品として、しじみやウコンが一般的に広く認知されています。二日酔いに効く栄養素として、しじみにはオルチニン、ウコンにはクルクミンが豊富に含まれています。しじみとウコンを組み合わせて摂取することで、様々な健康効果が期待できます。しじみとウコンは鉄分が豊富に含まれているため、過剰摂取には注意する必要があります。